精油の研究者1

梅津豊司(独立行政法人国立環境研究所) 
— 精油の中枢薬理作用の研究

精油のこころへの作用は、香りの嗅覚刺激によるものと
考えられていたが、最近の研究によると、精油の分子が
もたらす薬理作用によることが明らかになりつつある。

つまり、鎮静剤などの医薬品のメカニズムと同じ仕組みと
いうわけだ。

こうした精油の中枢薬理作用に関わる研究はほとんど
行われてこなかったが、ここ10年ほどで活発になり、
2006年にはCNS Drugsという専門誌に総説が紹介される
までになり、今ではアロマテラピーの研究者だけでなく、
薬理学の研究者にも関心がもたれている。

梅津はこの分野の研究にいち早く着手し、今までにローズ
とラベンダーの精油に抗不安作用があることを行動薬理的
アプローチで証明している。

アロマテラピーの臨床応用が進むためには、科学的検証、
つまり精油の生体への効果・効能の実証と作用機序の解明が
不可欠である。その意味でも梅津の研究への期待は大きい。

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わが国にアロマテラピーが紹介されておよそ25年が過ぎようと
している。統合医療への関心が高まる中で、数あるCAM
(相補代替医療)の中でも人気のあるアロマテラピーは欧米で
着実に広がりをみせており、科学的な研究報告も増加している。

一方、わが国のアロマ研究も活発化しており、初期の鳥居鎮夫
(東邦大学医学部名誉教授)のCNV(随伴性陰性変動)を利用した
香りの心理作用の実証に続いて、ユニークかつアロマテラピー
の普及に貢献する研究が行われている。

(メディアサボール)
グリーンフラスコ株式会社 代表・薬剤師 林 真一郎