森田療法は、森田正馬(1874~1938)により、神経質
(森田神経質)を対象として考案された日本独自の治療法。
自分の心身の状態や変調などに敏感に反応し、その生理現象を
自らなくそうと思えば思うほど、実際に胃の不快感や動悸など
が強まる、いわゆる「とらわれ」によって症状が発症している
患者に主に対応する。
気を紛らわすこと(読書、テレビ、会話など)を一切禁止し、
食事、用便、入浴のみ許可する。
第一期 – 絶対臥褥(がじょく)期:患者を個室に隔離し、食事・
洗面・トイレ以外の活動をさせずに布団で寝ているようにする。
第二期 – 軽作業期:外界に触れさせ軽作業をさせたりする。
なおこの時期から主治医との「個人面談」と「日記指導」も行う。
第三期 – 作業期:睡眠時間以外はほとんど何かの活動をしている
という生活にする。なお現代では適時休憩をとるように指導する
ところもある。
第四期 – 社会生活準備期:日常生活に戻れるよう社会生活の準備に
当てられる。
近年はうつ病などの疾患に対して適用されることもある。
森田正馬は薬を使わなかったが、現代では薬を併用することが多い。
元来入院が基本だったが、最近では通院が中心になりつつある。
そのため重度や長期の人は入院、軽度で短期の人は通院が基本に
なっている。
またそれ以外に自助グループ「生活の発見会」や会員制掲示板
「体験フォーラム」などの利用方法もある。
日本国内だけでなく、海外でも中国を中心に活動が展開されている。