『新約聖書』のイエス・キリストの誕生物語の中に、
東方の三賢人(博士)が、イエス誕生の馬屋で、
黄金、乳香(にゅうこう)、没薬(もつやく)をささげた
という記載がある。
黄金は現世の王と象徴し、乳香と没薬は「神の薬」を
意味すると言われていた。
まさにこの世に降り立った救世主に捧げる品物として
ふさわしいものだった。
乳香、没薬は、今日も芳香療法(アロマテラピー)で
広く利用されている。
また、『新約聖書』には、イエス・キリストの葬りの用意として、
「ナルドの香油」をイエスに塗ったという一節があるが、
これはおそらく、チベット地方原産のスパイク・ナルドという
植物を油に浸出させたものであったと考えられている。