本草書(ほんぞうしょ)

中国では、薬物(生薬)について書かれた本を本草書と言い、
最古のものは2~3世紀に漢の時代にまとめられている。

薬物(生薬)について書かれた書物を本草書と言うのは、薬物の
大半が草や木であったからかも知れない。

西洋のディオスコリデスの『マテリア・メディカ』と並んで
有名な東洋の薬草学書と言えば、『神農本草経』。

『神農本草経』は、後に5世紀末の陶弘景によって再編纂されて
730種の薬石が記された『神農本草経集注』という形で今日に
伝えられている。

「神農」とは読んで字のごとく本来は農業の神様だが、毎日100種類の
山野草を嘗めて薬用になるものを選んで人々に伝えたとされるところから、
医薬の神様ともされている。

また神農は、漢の時代に中国太古の伝説上の皇帝・炎帝とされるように
なった。

今日、中医学、あるいは漢方として知られる医学は、このようにして
成り立ってきた。