精油の歴史・番外編

かれこれ昔の話。ローマ時代、特権階級だったローマ市民たちは
「薬草風呂(ハーブバス)」に好んで入りました。ローマ人たちが
今でいう混浴で社交場としてお風呂に入っていたのは有名な話。

ローマ人が「薬草風呂」に好んで使用したラベンダーは、この時代に
ローマ人たちの手によってヨ-ロッパ中に広められました。ラベンダー
の語源である「ラバーレ」は「洗う」という意味のラテン語です。

しかし時代はくだり、権威主義的な人々によって、植物療法や
占星術の知識、ヒーリングの力を持った「ヒーラー・癒し手」
たちは、「異端」「魔女刈り」の対象になり、社会から排斥
されてしまいました。

「精油」は、歴史の表舞台から一旦消えてしまいます。しかし
地下組織的な動きとしては、「錬金術師(アルケミスト)」
たちが「不老長寿の妙薬(エレキシル)」を作り出すために
「精油」を非常に研究していました。

「錬金術師」たちは、生命力の根源にあたる物質
「精髄(クインテッセンス)」を抽出する目的で、「精油」の
可能性を探っていたのでした。

彼らは、近世に入ると「化学者」と呼ばれるようになり、
歴史の表舞台に登場してきます。

「ハーブ医学」として「薬草」や「精油」が再び脚光を浴びるのは
近世の始まりである16世紀に入ってから。。。

12世紀にアラブで発見された水蒸気蒸留法によって、「精油」が
現在のような純粋な形で抽出できるようになっており、また、印刷の
技術が発明され、こういった知識が一般にも広がりました。

「歴史」って面白いですね~。